こんにちは、京蘭 不動産事業部のKです。いつもこのブログをご愛読くださって、本当にありがとうございます。
投資家の皆さんは「借地権付き物件」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?「借地権付き物件」は、その名のとおり土地の所有権を持たない物件なので、一般的な土地の所有権のある物件と比較して安価な物件が多いです。
今回は、「借地権付き物件」に着目し、その特徴と投資の際の注意点等を解説いたします。
この記事はこんな人におすすめ!
・安価で不動産を手に入れたい
・借地権付きの物件に興味がある
・不動産投資で利益を最大限に得たい
この記事を読んでいただき、購入して良い物件を見抜く力を手に入れていただきましょう。ご紹介する内容は以下の通りです。
- 借地権の種類
- 借地権付き物件のメリット・デメリット
- 投資判断のポイント
- 投資する際の注意点
- 借地権付き物件の具体的な投資例
では、解説していきます。
✔︎借地権付き物件とは
借地権付き物件とは、土地を所有せずに他人から借りて建物を建てる権利を持つ物件のことです。土地の所有権は地主にあるため、地代を支払う必要があります。

また、契約期間が設定されており、契約期間が終了すると更新が必要となります。そして、この借地権には旧法借地権と普通借地権、定期借地権の3種類があります。3種類の詳細については次の項で解説します。
>>借地権の種類
①旧法借地権
旧法と新法の大きな違いは、構造によって存続期間等が違うことです。木造などの非堅固建物の場合は、当初の存続期間は20年以上、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの堅固建物の場合は、30年以上とし、更新後の存続期間の最低期間は当初と同様となります。また、当事者で期間の定めがない場合は、非堅固建物で当初の存続期間を30年、堅固建物で60年とし、更新後は前者で20年、後者で30年とされています。

②[新法]普通借地権
構造の違いに関わらず当初の存続期間は30年以上、更新1回目は20年以上、2回目以降は10年以上と定められています。期間の定めがない場合は、最低存続期間で設定されます。
③[新法] 定期借地権
「一般定期借地権」の存続期間は50年以上と定められており、契約の更新ができず、契約満了時には更地にして地主に土地を返還する必要があり、建物買取請求権などが認められません。その他、「事業用定期借地権」は、一般定期借地権との違いとして公正証書による契約が必要となります。また、「建物譲渡特約付き定期借地権」は、契約満了時に地主が建物を買い取ることが定められている借地権です。

旧借地法は借地人の権利を法で保護していたため、一度契約すると地主に返還されにくいものでしたが、新借地法により定期借地権が定められたため、地主が土地を貸しやすくなりました。ただし、旧借地権で契約されている土地は更新時にも旧借地権が適用されます。そのため、借地権付き物件を検討する際は、新旧どちらに従って契約されているものか、必ず確認しましょう。
>>借地権付き物件のメリット・デメリット
まずは借地権付き物件へ投資する場合のメリット・デメリットを知っておきましょう。
▼メリット
①初期投資が少ない
借地権付き物件は土地を購入する必要がないため、初期投資が少なく済みます。そのため投資資金を建物やその他の投資に回すことができます。
②高利回りの可能性
購入価格が所有権のある物件よりも低くなるため、賃貸に出した際の表面利回りが高くなる可能性があります。賃料収入に対するコストが低い分、キャッシュフローが向上することが期待されます。
③長期の安定収益
借地権の契約期間が長期にわたる場合、安定した賃貸収入を得ることができます。契約期間中は土地の所有者に地代を支払う義務がありますが、収益が見込める場合があります。
▼デメリット
①地代の支払い
土地所有者に対して定期的に地代を支払う必要があります。これは固定費として経営に影響を与えるため、収益性に対する慎重な計算が必要です。
②権利の制約
借地権には期限があり、契約更新時には地主との交渉が必要になります。更新が拒否されるリスクや更新料の負担が発生する可能性があります。
③売却の難しさ
借地権付き物件は、所有権のある物件に比べて売却が難しく、価格も低くなる傾向があります。特に借地権の残存期間が短い物件は売却しにくい傾向があります。
④利用の制限
借地契約には、物件の用途や改築に関する制限が含まれている場合があります。また、リフォームや建替えを行う際に地主の許可が必要になることも。これらの制限が投資計画に影響を与える可能性があります。
>>投資判断のポイント
①周辺の市場動向
借地権付き物件が所在する地域の賃貸需要や、市場動向をしっかりと調査することが重要です。高い賃貸需要が見込める地域であれば、安定した収益が期待できます。
②キャッシュフロー
地代を含めた収支計画を詳細に立て、十分なキャッシュフローが見込めるかを確認することが重要です。
③契約内容
借地契約の内容を深く理解し、契約期間や更新条件、地代の変動条件などを詳細に確認した上で購入を判断する必要があります。
>>投資する際の注意点
実際に、借地権付き物件へ投資する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。下記のような点を押さえておきましょう。
①借地権の残存期間
借地権の残存期間が長い物件を選びましょう。短期間で契約更新が必要になる物件はリスクが高くなります。
②地主との関係
地主との関係が良好であることを確認しましょう。更新交渉がスムーズに行えるかどうかは、投資成功の鍵となります。
③法律の理解
借地権に関する法律を理解し、将来的なリスクやコストを見積もることが重要です。投資前に専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
④リスク管理
契約更新リスクや地代の引き上げリスクに対する備えを考慮し、リスク管理の計画を立てることが重要です。
>>借地権付き物件の具体的な投資例
借地権付き物件の具体的な投資例は以下となります。
①住宅用借地権
市街地や近郊の住宅地で、借地権付き住宅を購入し、賃貸物件として運用します。購入価格が低いため、賃料収入に対して高い利回りが期待できます。
②商業用借地権
駅前や繁華街の商業地で、店舗やオフィスビルとして借地権付き物件を利用します。テナントの賃料収入が安定すれば、高い収益が見込めます。
✔借地権付き物件への投資は慎重に!
借地権付き物件は、初期投資が少なく、高い利回りを期待できる一方で、権利の制約や売却の難しさといったリスクも伴います。適切な物件選びとリスク管理を行うことで、借地権付き物件は不動産投資の一つの選択肢として有効となることがあります。投資家としての戦略や目的に応じて、慎重に検討することが大切です。