持続可能な不動産への転換

京都は美しい街並みと歴史的建造物で知られ、国内外から毎年何千万人と観光客が訪れます。一方で伝統的な京町家の維持は現代の京都が直面している大きな課題です。経年劣化や維持管理の難しさから多くの京町家が放棄もしくは取り壊される運命にあります。当社では解決策として京町家の再生と宿への転用を手掛けています。これにより文化的遺産を保存しつつ、現代のニーズに応える持続可能な事業モデルとなり、結果として多様な投資家との繋がりを創出。京都から世界への文化的架け橋となることで、新たな価値創造の機会を生み出します。

京都の街づくりと京町家の現状

京都は千年以上にわたり首都の歴史を持ち、伝統的な建築が数多く残る文化都市です。しかし現代に入り、これら建築物は取り壊しや改築の危機にさらされています。京都市によると、市内に存在する約48,000棟の町家の多くが老朽化しており、十分なメンテナンスが行われていない状況です。このような状況に対応するため、町家の再生と活用が注目されています。

観光からみる京町家宿のニーズ

京都は2022年約4,360万人の観光客が訪れました。特に伝統文化に触れたいと京都を訪れる観光客にとって、京町家を改装した宿は大変魅力的です。コロナ禍を経て新しい価値観が生まれ、京町家ゲストヴィラ「京蘭-KYORAN-」のような京町家一棟貸しは、プライベートで上質な京都滞在を楽しめる文化体験コンテンツとして、ホテルとは違ったニーズを満たす重要な観光資源の一つになるのです。

町家再生による持続可能な開発

京町家再生プロジェクトは、廃棄される建材の削減、伝統技術の継承、地域コミュニティの活性化に寄与します。これまで京町家は宿泊施設だけでなく、新しい商業施設、オフィス、カフェ、ギャラリーとして利用されており、それによって地域経済に新たな活力をもたらしています。これらの施設は、街並みを整え、治安の維持向上、地域の文化的アイデンティティを保ちながら新しい価値を創出し、経済効果を生み出しています。

京町家再生のプロセス

当社では物件調査から改修計画の企画提案、施工から引き渡しまで社内で一貫して行います。
現在、現場から集められる多様なフィードバックから、プロセスを定性化させたシステム開発を行っています。

ステップ1: 家屋調査と分析
京町家の改装をするにあたり、家屋調査から始めます。柱や梁など主要な構造部分から外観まで詳細な分析を行い、家のコンディション、特徴や魅力を把握します。

ステップ2: デザインと決定
目的とアイデアを元にデザインを作成します。町家の魅力を引き出し、お客様が快適に過ごせる居場所づくりを実現するために、細部にわたってデザインを追求します。3Dイメージを作成し、オーナー様の理解、現場での共有がスムーズに行われます。

ステップ3:施工
設計・デザインに基づき、施工に取り掛かります。 熟練の大工・職人チームがデザインの意図を汲み取り、伝統と快適性を両立した上質な京町家を再現していきます。

ステップ4:完了と定期メンテナンス
工事完了後、カーテンやファブリックなどインテリアをしつらえれば完成。以降、 日々のお手入れと定期的なメンテナンスで「美しさ」を維持します。

特に自社設計に力を入れており、不動産の可能性を最大限に引き出す方法をご提案しています。とりわけ3DCGで表現された完成イメージはお客様に大変喜ばれています。

SDGsの取り組み

京町家の再生は、京都の伝統と革新の調和を象徴し、過去と未来をつなぐ街づくりにおいて重要な役割を担っています。持続可能な開発目標(SDGs)の観点からも、地域資源の有効活用と文化遺産の保存という点で高く評価されるべき取り組みです。私たちは技術革新を生み出すプラットフォームづくりなど様々な環境づくりをおこなっています。

環境への配慮
・京町家の再生に伴う自然環境への寄与
・国産材、自然素材を用いた京町家建築

社会や環境・仕組みづくり
・オープンラボで多様な人が集まる空間づくり
  伝統建築を学べるライブラリー
・デジタルプラットフォーム
  国内3例目となるLEDスタジオ
  バーチャル開発
・新たな価値創造プロジェクト
  公募型デザインコンペの実施
  学生インターンシップ活用
・伝統建築技術の継承
  大工、左官、庭師など職人の技術と精神性の継承
・多様な人材が活躍できるグローバルな環境
  変化と成長を促進する社風
  交換留職ー異業種への出向・受け入れ

今後の取り組み〜目指していきたいこと
・京町家の学びを深め、京町家の価値を広める活動
  京町家の保存再生がテーマの勉強会や研修会の開催
  職人や学識経験者を招聘したセミナーの開催
  関連団体への加盟
  論文発表するなど京町家の公共性・価値を高める活動
・ステークホルダーとの強固な信頼関係構築
・コンプライアンス体制の整備
京蘭は今後、これらの活動も視野に入れ、取り組んでいきます。

SDGsへの貢献

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標です。
当社ではサステナビリティ推進のため、お客様に寄り添い、より良い不動産開発や宿泊サービスを提供する事業活動を中心に、さまざまなステークホルダーの皆様との協働や企業活動を通じて、社会課題の解決に貢献しています。そしてこれらの取り組みは、以下の具体的な取り組みなどを通じて、SDGsの達成につながるものと考えています。

京蘭の主な取り組み

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