こんにちは、京蘭 不動産事業部のKです。いつもこのブログをご愛読くださって、本当にありがとうございます。
昨今、世界では不動産市場が下落する地域もあり、不動産バブル崩壊が囁かれています。特に中国では大手不動産関連会社の倒産や債務不履行が発生しており、バブル崩壊間近と言われています。そんな中、日本は不動産バブルとは無縁と思われてしまいがちです。なぜなら、日本は長期的にゼロ金利政策が続いています。ただ、ここ数年の不動産価格は右肩上がりですから、他人事では済まされない状況です!
今回は、日本がかつて経験した不動産バブルに焦点をおき、将来の不動産バブル再来の可能性について解説していきます。
この記事はこんな人におすすめ!
・不動産バブルとは何かを詳しく知りたい
・不動産バブルへの対策を知りたい
・不動産投資で失敗したくない
この記事を読んでいただき、最高の投資機会を迎えましょう。ご紹介する内容は以下の通りです。
- なぜ昭和バブルが起こったのか
- 昭和バブル崩壊の流れ
- 令和バブルと呼ばれる不動産価格動向
- 令和バブル崩壊になり得る要因
では、解説していきます。
✔︎そもそも不動産バブルって一体なに?
『バブル』という言葉は経済上昇が著しく高まっている状態を泡が膨らむ様子と重ねています。そしてその経済が暴落している状態を、バブルが破裂してしまった状態として『バブル崩壊』と呼ばれています。各国のバブルは、金融緩和や規制緩和、過剰な楽観主義に基づいた資産価格の急騰が共通点です。
>>なぜ昭和バブルが起こったのか
日本ではなぜ「昭和バブル」が起こったのでしょうか。要因は大きく3つで、①国内金融緩和、②土地神話、③規制緩和と政府の経済政策になります。
①国内金融緩和
発端となったのは、1985年にアメリカ、フランス、西ドイツ、日本、イギリスの5カ国がニューヨークのプラザホテルで合意した国際的な取り決め「プラザ合意」です。このプラザ合意の内容とは、アメリカの過剰なドル高を緩和するための措置が記されていました。その結果、ドル安が進んだことで日本は円高になったことにより、海外輸出が難しくなったことから、金融緩和として利下げを行います。日本銀行は低金利政策を続け、資金供給が拡大しました。これにより企業や個人が借金をしやすくなり、株式市場や不動産市場に大量の資金が流入しました。
②土地神話
低金利政策により、不動産や株式の価格が急騰しました。こうして株式市場に上場する企業が増え、日本の株式市場は活発化、都市部の不動産価格は天文学的な上昇を見せました。 その頃日本では「土地の価格は決して下がらない」という信念が広まり、これが後に「土地神話」と呼ばれるようになります。大企業の株式市場への進出により、銀行は大口である企業への融資が難しくなっていきました。そこで、銀行は土地への投資を進める常套句として、土地神話が広まりました。企業は土地を担保に増資、銀行は多額の融資を行い、これがさらに不動産価格の上昇を助長しました。
③規制緩和と政府の経済政策
戦後から日本の産業を守るため、多くの規制が実施されていた中、1980年代には多くの規制緩和政策を実施しました。日本では日本国有鉄道(現JR)、日本電信電話公社(現NTT)、日本専売公社(現JT)が民営化され、特にNTTは株式上場後、わずか2ヶ月で約3倍もの上昇を見せました。この規制緩和により、金融機関がより自由に貸し出しを行うことが可能となり、不動産と株式への投資が加速しました。また、政府の積極的な経済成長戦略が企業の拡大を促進し、過剰投資に繋がりました。
>>昭和バブル崩壊の流れ
では、なぜバブルは崩壊していったのでしょうか。 主な要因が以下になります。
①金融引き締め政策
バブル経済の加熱を抑えるため、1989年から日本銀行は金利を引き上げ、金融引き締め政策を開始しました。これにより、資金の流れが急速に収縮し、借り手が減少しました。その結果不動産や株式の価格が急激に下落し始めました。
②総量規制
1990年に政府は不動産価格の過剰な高騰を抑えるために、金融機関へ不動産融資の割合を抑制するように指導しました。 これをきっかけに1992年には土地の価格が大暴落します。
③不良債権の拡大
土地の価格高騰を予測し、多額の資金を融資していた金融機関は、不動産価格の暴落により、不良債権を多く抱えることになりました。これにより銀行の経営が悪化し、融資の拡大ができなくなり、経済の循環が悪くなっていきます。結果として、企業の倒産や失業の増加、金融機関や証券会社は倒産に追い込まれたのです。
④経済全体のデフレ化
このようにジワジワとバブルが崩壊した結果、需要が縮小し、物価が下落するデフレが発生しました。企業の収益性が低下し、長期的な経済停滞が始まりました。後に「失われた30年」とも呼ばれる期間へ突入し、経済成長が低迷し続けた原因となりました。
>>令和バブルと呼ばれる不動産価格動向
令和時代における不動産価格の高騰は、特に関東や都市部(東京、大阪、名古屋など)で顕著です。以下の要因が価格上昇の背景にあります。
①低金利政策
日本銀行は長期間にわたり、ゼロ金利政策やマイナス金利政策を維持してきました。これにより、住宅ローンの金利が低く抑えられ、不動産購入へのハードルが低下しました。投資家や個人が不動産に資金を投じやすくなり、特に都市部では価格上昇が続いています。
②都市部への人口集中
都市部、特に東京圏への人口流入は依然として続いており、限られた土地に対する需要が高まっています。これにより、東京や大阪の中心部における住宅価格が上昇しています。
③外国人投資家による不動産投資
外国人投資家や富裕層による投資が活発化しています。円安により、以前と比べると高級不動産が大幅に安く手に入れることができるようになりました。外国人投資家から見れば、不動産のクオリティに対してコスパが良いと感じられ、購入者が増えています。こうした動きも不動産価格の上昇の一因ともなっています。
④投資需要の増加
マイナス金利環境下での運用難や、株式市場の不安定性から、資産運用の手段として不動産が注目されています。特にリース物件や賃貸住宅に対する投資が増え、不動産市場に大量の資金が流れ込みました。また、リモートワークの普及により、地方都市や郊外の物件の需要も一部で高まっています。
⑤インフレ懸念と実物資産へのシフト
2020年代には世界的にインフレ懸念が高まり、それに伴って実物資産である不動産への投資が一層注目されました。物価上昇が続く中、資産を現金で保持するリスクが増し、不動産のような価値の保持が期待される資産が好まれるようになっています。
>>令和バブル崩壊になり得る要因
バブルが形成されている場合、何らかのきっかけで崩壊するリスクがあります。令和バブルが崩壊する場合に考えられるシナリオを以下に示します。
①金利引き上げによる負担増加
日本銀行がインフレ対策や金融市場の安定化を目的に金利を引き上げると、住宅ローンの返済負担が増大し、借り手の返済能力が圧迫される可能性があります。特に住宅ローンを利用して不動産を購入した層が返済困難に陥り、不動産の売却が相次ぐことが考えられます。このような動きが広がると、不動産価格が急落し、バブル崩壊が加速する恐れがあります。
②人口減少・少子高齢化の影響
日本全体の人口減少と少子高齢化が進む中、将来的には不動産需要が低下する可能性があります。都市部とは対照的に地方や都市郊外では、人口減少に伴って空き家問題が深刻化し、不動産の価値が下がるリスクがあります。現在は都市部で不動産価格が高騰しているものの、長期的にはこのトレンドが崩れる可能性があります。
③世界経済の影響
世界的に経済環境が悪化した場合、日本の不動産市場にも影響を与える可能性があります。例えば、世界的な金融危機や経済不況が発生した場合、外国人投資家が日本の不動産から撤退し、資産売却が相次ぐことが考えられます。このようにして日本国内の不動産価格が急落するリスクがあります。
④不動産投資の急速な冷え込み
不動産市場に過剰な投資が行われ、価格がバブル的に高騰している場合、投資家が市場の将来性に疑問を抱き、一斉に売却を始めることが考えられます。特に、物件価格が過大評価されていることに気づいた瞬間、投資家が撤退し、価格が急落する可能性があります。これにより、バブル崩壊が引き起こされるでしょう。
⑤政治的・政策的な要因
政府や自治体の政策変更が不動産市場に影響を与えることも考えられます。例えば、税制改正や規制の強化によって不動産購入が抑制される可能性や、賃貸物件への規制が強化されて投資が控えられるリスクも存在します。また、都市部の再開発計画が頓挫することで、市場全体の楽観的な見通しが崩れることもあります。
✔歴史は繰り返されるのか
昭和バブルと令和バブルでは発生した背景や要因は異なります。インフレでありながら低金利であったり、バブルの恩恵を受けている層は投資家などの限定的であったりと状況が違いますね。しかし、昭和バブルや世界的な経済動向、歴史からバブル崩壊の対策が可能です。投資の際にはバブル崩壊時を意識して金利対策や分散投資などリスクヘッジしておくのも◎。
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